植毛治療とは
植毛治療とは、自分の毛髪(主に後頭部のもの)か、もしくは人工的な毛髪(人工毛)を頭皮の透けたような箇所に外科的に移植するものです。
自分の髪を移植する場合(主流)
毛髪が残っている部分から取ることになりますので、基本的には薄毛になりにくい後頭部の蓬髪が使われます。よって、当然この箇所にも移植するに相当するだけの毛量が必要となります。また、自毛の移植は毛根付近の頭皮組織を含め、まるごと切り取って移植しますので、
切り取った箇所にライン上の傷がでてきしまいます(長期的に見れば通常目立たなくなります)。ただし、自毛ですので、拒絶反応のリスク回避につながります。
人工毛を移植する場合(アメリカでは法的に禁止)
自分の毛髪でなく人工毛を移植する場合には、後頭部にメスを入れて自分の毛髪を頭皮組織ごと切り取るようなことは必要なくなります。移植する箇所だけに配慮すればよくなりますので、相対的に手術負担は低くなります。希望の長さの毛髪を比較的短時間で、数百本単位で移植することが可能です。
ただし、自分の毛髪でないことから、身体には異物なものと認識され「拒絶反応」が出てしまう場合が多くなります(皮膚状態の悪化や膿)。また、せっかく移植しても抜け落ちていき「定期的に植えなおす」というメンテナンスも不可欠なものとなります(費用がかさみます)。
植毛治療のメリットとデメリット
一見、若かりし頃の理想の髪型を再実現できそうな「植毛治療」ですが、やはりデメリットも否定できません。ここでは簡単にメリットとデメリットをまとめてみます。
メリット
植毛治療であれば、外見的に明確な変化を遂げるとこができます。「かつら」のような取り付けの煩わしさがなく、自分の髪の毛として生活できるので、何より心が軽くより前向きな人生が歩めます。
「自毛」を移植する場合、うまく頭皮に定着すればメンテナンスをする必要もなくなります(移植した毛が抜けた後でも、またその毛根から次の毛が自然に生えてきます)。
デメリット
外科的な手術になりますので、傷痕が残ります。身体への負担もさることながら、傷痕がある程度自然な治まりを見せるまで、帽子をかぶって過ごしたり、休暇を取るなどの調整が求められます。どうしても、一般的なAGA治療と比べて費用負担が大きくなります。
また、手術が表面的にうまくいったように見えても、数ヶ月は経過しないことには、周りの髪と同じような生え方をしてくるかどうかを判断できません。「人工毛」移植による「拒絶反応」は非常にリスクの高いものとされ、アメリカでは人工毛の植毛手術自体が禁止されているほどです。
植毛治療とAGA治療のどちらを選ぶべきか
植毛治療では明確な失敗が起こりうる
植毛治療においては、外科手術として「失敗」と評価せざるを得ないケースが出てきます。例えば、「人工毛」を移植し拒絶反応を起こしてしまったために、どうすることもできず、再手術をせざるを得なくなったようなパターンです。
後頭部の頭皮を切り取った上で失敗となってしまっては、精神的な負担はかなりのものになります。また「自毛植毛」をしたものの、半年ほどたっても通常の毛髪のように毛が成長できず、そのままの長さで留まってしまうような場合も起こり得ます。それでも皮膚の腫れは治まり、頭皮が綺麗に馴染んでいればまだ良いのですが、その時にどういう状態になっているかは十人十色と言えます。
リスクの大きさ:植毛治療>AGA治療
外科手術の術後に、あるいは数ヶ月後に、実際にどうなるかはわからない「植毛治療」は、成功した場合の喜びの大きさと引き換えに、大きなリスクを含んだ選択肢になるということが言えます。
一方、AGA治療に関しては、長期的な展望で継続的に治療薬を服用し続ける必要はありますが(平均的には効果を感じるまで半年程度は必要とされます)、例えば1年2年経ってみて「やっぱりあまり…」とお感じになる場合は、止めることを決断することで「リセット」することができます。この点、リセットができない「植毛治療」とは大きく異なるところでしょう。
自分の力で「髪を生やす」という、根本的な解決ならAGA治療が最善の選択肢
「移植した毛がうまく馴染むかどうか…」、このような心配をするよりは、元々自分が持っている「髪を生やす」という力を保護する方が現実的で賢い選択だと言えます。そもそも薄毛に至るのは、髪が生える機能が消えてしまったのが原因なのではなく、本来もっている髪を育てるシステムが、ジヒドロテストステロン(DHT)という悪玉化した男性ホルモンの影響でシステム障害を起こしているためです。
当院では、お薬で薄毛の進行を抑えて血行の促進を促すような方向で自力の発毛を促す「AGA治療」をお勧めしています。
AGA治療については当院にお気軽にご相談ください
薄毛でお悩みの方にとって、現実的にどのように対処するかは深刻な問題です。薬局やインターネットのページには、身近で手軽な「育毛剤」のメリットを謳うものもありますが、薄毛になるメカニズムを考えれば、それらを塗布することで得られる効果はやはり限られていると言わざると得ません。
「植毛」という選択肢についてお伝えしましたが、より現実的でリスク面でもバランスの取れた薄毛対処法は「AGA治療」です。当院では患者さまの生活環境の改善も含めてサポートさせていただきます。